何かと就職活動や面接系の記事が目立つ今日この頃。
当時新卒の僕は今頃何をしていたかと思い立ち、過去の日記を漁ってみたところ、入社前研修最終日をちょうど終えていた。
内定をもらってから数回に渡り内定者研修が行われたわけだが、2006年2月28日、全ての内定者研修を終え、「お疲れ様自分」などと胸をなでおろすもつかの間、研修後に希望配属先の提出が行われた。
当時は希望勤務地は東京本社一択で、当時の日記によると、
「4月3日から新入社員研修です。
全国から新入社員が東京に集まり、2週間ほど研修を行います。
気心の知れない人たちと2週間もホテル生活です。
その日に配属先が決まります。
東京じゃなかったらとんずらします。」
などというかなり尖った若者特有の文章をお見受けした。
そんなこんなで、東京で新入社員研修を受け、無事、東京本社勤務となるのだけど、実のところ、初期段階では東京を選んだ理由はさほどなかった。
就職で東京に出る友人が多かったこともあり、「じゃあおれも東京出ようかな」程度のことだった。
むしろ、そんなに東京に行きたくなかった記憶がある。
ちょうどこの頃、若さ故なのか、「自分を変えたい」という強い思いを抱えている時期だったこともあり、自分を変えるには環境を変えるしかないのかなと思うこともあった。
実際、僕が慕っている先輩からのアドバイスで、「知らない土地に行けば自分のことを知っている人がいないわけだからどんな自分にでもなれる」っていう話をしてくれたことが、東京行きの背中を押した。
そしてその先輩も就職で東京に行くということで、当時、何から何までその先輩に影響を受けていた僕は付いていくような形で東京へ、というのが東京行きの着地点だった気がする。
社会人になってから歳を重ねるたびに思うことだけど、若くて多感な時期、特に新卒で入った会社である程度自分の社会人としての地盤は出来上がる。
僕が入った会社は『ITベンチャー』の走りとでもいうか、業界でもトップクラスのとでもいうか、2ちゃんねる界隈では『ブラック企業ランキング』のトップランカー的な会社だったので、それが僕の社会人としての地盤になっている。
とにかく『テクニカル』だの『ロジカル』だの『戦略的』などということは一切なかった。
『気合』『根性』『達成』で『未達は死あるのみ』というブラック企業どころかかなりマッドだった。
当時のエピソードはまた別の機会に面白おかしくユーモラスに展開するとして、表向きそのような形容の会社ではあったものの、実際にそこに勤務した身としては辛かった印象より『ドラマチック』な印象が濃い。
全力の朝礼、昼礼、終礼。
山積みにされたタウンページで朝から晩までテレアポ。
晩から深夜まで営業ロープレ。
こうして記述して改めて見ても『青春』としか言いようがない。
とにかく夢中でその日その日を生きていたので、今振り返ってみても「楽しかった」としか思わない。
何か仕事で辛いことがあっても「あの時よりマシだな」と思えるからそんなにダメージもない。
そういった意味でも「若いうちの苦労は買ってでもしろ」というのは、僕にとってはあながち間違ってなかったのかもしれないと思う。
ただ、これから社会に出る人たちにとってはどうかはわからない。
個人的には『苦労』とか『失敗』とか壁があったほうが自分の人生がドラマチックになると思うけど、ドラマチックを求めてない人もいるだろうし、そんなものなくても良い方向に成長する人もいるだろう。
当時の自分に今の自分から何か言えることがあるとすれば、「自由にやりなさい」ということだけだ。
失敗したって命まで取られることはないのだから。