9月12日に、紅櫻蒸溜所のBDC会員限定イベントを開催します。
翌13日には「紅櫻リカーフェスティバル2026」。
そして今年は「関西ジンラリー2026」にも協賛させていただくことになりました。
一見するとそれぞれ別のイベントなのですが、自分の中では全部同じ方向を向いています。
ジンを飲む人を増やしたい。
最近、そんなことをよく考えています。
そもそも、ジンを飲んだことがない人が多い
紅櫻蒸溜所で仕事をしていると、意外なことがあります。
蒸溜所見学に来てくれる人や、周年イベントに来てくれる人の中にも、
「ジンを飲んだことがない」
という人が結構いることです。
なぜそれでジンの蒸溜所に来てくれたのかはよく分かりません(笑)。
でも、それくらいジンはまだ一般的なお酒ではないのだと思います。
ビールなら、アサヒが好き、キリンが好き、サッポロが好きという話になる。
ウイスキーなら、甘いものが好きな人もいれば、スモーキーなものが好きな人もいる。
ワインや日本酒にも、それぞれ産地や品種、造りによる違いがあって、自分の好みを持っている人がたくさんいます。
でも、ジンはどうだろう。
「ジンといえばこれだよね」
というものが、そもそもまだあまりないように思います。
それは裏を返せば、まだまだ色々なジンと出会える余地があるということでもあります。
9148が一番じゃなくてもいい
メーカー側の人間が言うことではないのかもしれませんが、個人的には、紅櫻蒸溜所のジンが一番じゃなくてもいいと思っています。
もちろん、作っている以上は美味しいと思ってもらいたいし、選んでもらいたい。
でも、お酒って最終的には好みだと思うのです。
ジュニパーがしっかりしたジンが好きな人もいれば、柑橘が華やかなジンが好きな人もいる。
スパイスの効いたものが好きな人もいるし、ハーブの香りが好きな人もいる。
だから、
「紅櫻も美味しかったけど、自分はこっちの蒸溜所のジンの方が好き」
でも全然いい。
それはその人の好みなので仕方がない。
そこで紅櫻が選ばれなかったのなら、こちらの努力不足というだけの話でもあります。
ただ、ありがたいことに、実際に色々なお客さんの声を聞いていると、9148を好きだと言ってくれる人はたくさんいます。
だからまずは、ジンを飲んでほしい。
そして、色々なジンがあることを知ってほしい。
その中から、自分の好きなジンを見つけてほしい。
色々飲んでみた結果、
「やっぱり紅櫻のジンが好みだった」
となってくれたら、作り手としては一番嬉しい。
そんな順番でいいんじゃないかと思っています。
まず、紅櫻のジンをもっと深く知ってもらう
9月12日は、BDC会員限定イベントを開催します。
以前は毎年開催していた会員イベントですが、色々な事情やコロナ禍などもあって、しばらく開催できていませんでした。
今回は「レシピデザイン体験」と題して、実際にジンのボタニカルに触れながら、自分なりのレシピを考えてブレンドしてもらう企画を行います。
その後はバーベキューなども行いながら、会員の皆さんと交流できればと思っています。
古くから紅櫻蒸溜所を応援してくれている人もいれば、最近ジンを好きになって会員になってくれた人もいます。
自分自身、この1年ほど製造に携わる中で、
「紅櫻蒸溜所のジンとは何なのか」
を少しずつ理解してきました。
単式蒸留器を使い、ボタニカルと向き合いながら作る、伝統的な製法のジャパニーズクラフトジン。
それがどういうものなのかを、会員の皆さんにも体験を通して知ってもらいたい。
同時に、皆さんがジンに何を求めているのかも知りたい。
作る側から一方的に伝えるだけではなく、そんな交流の場にできればと思っています。
他の蒸溜所のジンも飲んでほしい
翌日の9月13日は「紅櫻リカーフェスティバル2026」。
今回は紅櫻蒸溜所だけではありません。
新蒸留研究所、富井蒸留所、丹丘蒸留所、十勝平野蒸溜所、OTARU DistiLibraryなど、他のジン蒸溜所にも参加していただく予定です。
当然、同じジンを作っている以上は競合でもあります。
でも、自分としては、それ以上にまず色々なジンを飲み比べてもらいたい。
同じ「ジン」というカテゴリーでも、蒸溜所が違えば考え方も違うし、原料も違う。製法も違えば、当然味も香りも違います。
その違いを一度に体験できる機会があった方が、絶対に面白い。
そこで他の蒸溜所のファンになる人がいても、それはそれでいいと思っています。
まず「ジンってこんなに色々あるんだ」と知ってもらう。
その入口を増やす方が、今は大事だと思っています。
関西で、ジンを飲む機会を増やす
そして今年は「関西ジンラリーLAB 2026」に、紅櫻蒸溜所もサポーターとして協力させていただくことになりました。
きっかけは、大阪の阪神百貨店で知り合った、関西ジンラリーを主催する小林さんから声をかけていただいたことでした。
今回のテーマは、
「21日間だけ、日本一ジンを飲む街になる。」
9月15日から10月5日までの21日間、大阪キタの21店舗を舞台に、実際にどれだけジンが飲まれるのかを試す取り組みです。
目標は、
21店舗 × 21日間 × 21,000杯。
今年春に開催された関西ジンラリーでは、110店舗を約600人が巡ったそうです。
そこから今回は「回る」から「飲む」へ。
ジンをもっと街で普通に選ばれる酒にできるのか、実際のお店を舞台に挑戦するという企画です。
さらに大阪キタの参加21店舗だけでなく、この活動を応援するサポーター店舗も全国60店舗まで広がっています。
紅櫻蒸溜所も、この企画にジンを協賛する形で参加します。
協賛する理由はいくつかあります。
関西で9148を知ってもらえることも、もちろん嬉しい。
企画自体が面白そうというのもあります。
でも、自分にとって一番大きいのは、関西ジンラリーという活動そのものを応援したいという気持ちです。
メーカーでも酒販店でもない人たちが、
「もっとジンを飲んでもらいたい」
「ジンを街で普通に選ばれる酒にしたい」
と動いている。
自分が今考えていることと、かなり近いものを感じます。
小林さんとは本当に損得なく良い関係を持たせてもらっていると思っているし、こういう活動には大きなリスペクトがあります。
だから、自分たちにできることであれば惜しみなく協力したい。
21日間の中で、普段ならジンを頼まなかった人が一杯のジンを飲むかもしれない。
そこから別のジンも飲んでみるかもしれない。
そしていつか、
「ビールにしよう」
「ワインにしよう」
「今日はウイスキーにしよう」
と同じように、
「今日はジンにしよう」
となったら面白い。
今回の取り組みが、そのための小さなきっかけになればいいなと思っています。
ジンが「普通の選択肢」になったらいい
ビールを飲む。
ワインを飲む。
日本酒を飲む。
焼酎を飲む。
ウイスキーを飲む。
そこに特別な説明はいりません。
いつか同じくらい普通に、
「今日はジンを飲もう」
という選択肢があったらいいなと思っています。
そのためには、紅櫻だけが売れればいいという話ではない。
色々な蒸溜所があって、色々なジンがあって、それぞれを飲み比べて、自分の好みを探せる方が面白い。
9月12日のBDC会員イベント。
9月13日の紅櫻リカーフェスティバル。
そして関西ジンラリー。
場所も内容も規模も違いますが、自分の中では全部つながっています。
まずはジンを飲んでもらうこと。
そこから始まればいい。
そしていつか色々なジンを飲んだ人から、
「結局、9148が一番好みだった」
と言ってもらえたら。
その時は、作り手としてこっそり喜ぼうと思います。