就職活動

2006年、卒業も間近に差し迫った「大学5年生」の冬、僕はようやっと大学卒業に必要な単位の取得が確定した。
僕がどうして大学を留年することになってしまったのかはまた別の機会に書くとして、とにかく大学5年生の冬に卒業が確定したのだ。
通常であれば、4年で大学卒業ということの通常をひとまず抜きにして、大学を卒業して就職活動するとなると、大体は皆、大学生活最終年の春から活動を始めて、割と早い段階で数社から内定をもらい、自適に残りの大学生活を謳歌するという雰囲気だった。


僕の場合、元々は4.5年、つまり半期留年で卒業出来る程度だったのだが、就職活動のことを考えた時に、半期で卒業するより在学していた方が就職先を探しやすいのではないかという考えで1年留年することにした。
留年が確定した際に、親には「大学を辞める」と申し出たのだが、せっかく4年もかけて通ったのだから最後までやり通せとのことで、足りない頭を下げて留年させてもらった。
本当にありがたい話だ。
ともあれ、そんな状況にも関わらず、まさかの後期ギリギリで卒業を確定させた。

今振り返ってもなぜなのか思い出せないのだが、「大学5年生」という差し迫った状況にも関わらず、なぜか早い段階から就職活動をしていなかった。
どう振り返っても、なんとなく大学へ行っていたこと、バイトしていたこと、友達と酒を飲むこと、ネットゲームをしていたこと、この程度しか思い出せないのだ。

就職活動を始めたのは確か9月頃。
いざ企業の就職説明会を受けてみようと思ってみても現実は残酷、むしろ自分が将来のことなど微塵も考えずに堕落していたせいか、どこも開催していないのだ。
当然、下期にもなればどこの企業も内定者は確保しているし、あとは内定者研修を行って、来年の春に向けて活動していくというのが普通の流れである。
就職説明会もないとなるとさすがに焦った記憶がある。
当時は企業のことも社会のことも何も知らなかったし、何も興味がなかったような気がする。
本当に何も考えていなかった。

内定は本当に偶然だった。


確か当時、月別と地域別に年間の企業説明会のスケジュールが記載されたシート、あるいはサイトがあったと記憶している。
リクナビだっただろうか。
何気なくそれを見ていると、9月に一社だけ札幌で就職説明会を開催している企業があった。
いかにも20代の若者をターゲットにしたキャッチコピーが妙に目を引くその企業は、どうやら東京に本社がある企業で、「IT」で「ベンチャー」の企業らしかった。
当時は、まだパソコンもそれほど普及していない時代で、ひとり一台どころか、一家に一台あればいいほうで、光回線もなかった。
当然Wi-Fiもなく、スマホもあるはずもなく、携帯電話も二つ折りケータイが主流だった。
この年はちょうど、ライブドアのホリエモンや楽天の三木谷社長、サイバーエージェントの藤田社長など、「IT」の「ベンチャー企業」が世間で注目されていた。


ちょうどその頃、インターネットを通じて、音楽を聴いたり、動画を見たり、ゲームをしたり、チャットをしたり、普段からインターネットのある環境にいたため、興味もあるし、遊びで使ってきたパソコンやインターネットの知識が活かせるかもしれない。
むしろ他に説明会が開催していないのだから、この会社の説明会を受けるしかない。
そんな軽い動機で、その企業の説明会を聞きに行くことにした。

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